2009年4月30日木曜日

ロンドンの若手振付家⑧ Luca Silvestrini

☆Luca Silvestrini
ルカはプロテインダンスというカンパニーを有している。先日QEHでDear Bodyを発表したところ。宣伝をかねたインタビューはこちら

そもそも2006年のプレイスプライズ参加者(観客賞を受賞したとかいてある)だったルカは密かに作品を続け、今回70分にして発表。元々のバージョンを覚えているが、ダンサーも増え、ダンサー以外の一般人も巻き込み(ワークショップとオーディションでセレクトした10人ぐらいの老若男女が舞台上にあがる)、UK地方のダンスセンターを転々として稽古場を確保し、(ついでに作品を発表できる環境を整え)今回の発表。ここまでに作品を作りはじめてから既に3年が経過している。スプリングローディドだけでくったりしているが、すごいことである。(ちなみに2004,2006年の多くのプレイスプライズ作家は発表時点で既にキャリアを有している人が多かったが2008のメンバーはインターナショナルな分つなげるのが難しいらしく、ちょっと低迷している。私、コリン、マルソーのようにプレイス自身がピックしたグループもあるが、それにしてもビザ問題などでその後発展するのはかなり難しい。)
なお作品は英国マッチョ系おばかダンスともいうべき作品。好き嫌いはかなり分かれると思われる。
ただ、ルカの例のように3年かけるあるいはもっとかかって作品が成長していくことが不可能ではないわけで、そのゆとりはすごいと思う。

結構いい年。しかししぶとくがんばっているお兄ちゃん。照明はJackie Shemeshが担当。

ロンドンの若手振付家⑦ Robin Digemans

Robin Digemans
プレイスプライズに過去2回参加している振付家。(2008年組の中では唯一)とりあえず発想がとてもかわっている。そしてその発想を確信犯的に実行に移す力量の持ち主。プレイスプライズでは正直失敗したと思う、、(ごめんねロビン)ちなみに2009年のThe place Spring loadedのチラシは彼が野原の中で飛び跳ねている写真である。
明らかにうまいダンサーさんではない。とりあえず大男で、明らかに繊細なことは出来ない。しかし味のあるひとである。
今回の作品は28人の人を毎日スタジオに招いて、お話をし、彼らから動きを抽出し、作品を作り上げていったというもの。28人はダンサーではなく、普通に暮らす普通の人という基準で選ばれている。普通の人が普通にしている動作がいかに面白いかをシンプルな形でそして絶妙な構成力で作りきった。

ロンドンでダンスをみる⑨ Jackson's lane

Jackson's Lane
ロンドンは北部ハイゲート(ちなみにハイゲートは高級住宅街としても知られる、緑あふれた土地。友人によればロンドンで唯一の天然白樺林だそう)にある小劇場。客席数180くらい。どうも教会だったところを改造して劇場/稽古場/コミュニティセンターとしたのではないかと思われる施設。稽古場の方では一般の人向けのダンスクラスも多々行なわれている。

若手振付家の育成活動を積極的に行なっていることでも有名で、先日も友人のハギットとたけし君が公演(ちなみに彼らはフィンランドのコンペで優勝してしまったそう。ちなみにハギットはイスラエル人。とても熱く、良いダンサーでもある。)を行っていたのでみにいったところ。そのフェスティバルもcloud dance festivalといってかなりピンからキリまで大量の若手ダンサーの作品を見ることが出来るものでした。
ちなみに現在募集中なのはSecret Theatreという企画。これも一晩に4から8作品という形。従ってこった照明のものとかは出来ない。正しくは劇場の設備的にもあまりこったところで効果はない。しかしとても面白そう。

ロンドンでダンスをみる⑧ Laban

Laban center
北のLCDS(ロンドンコンテンポラリーダンススクール)、南のラバンといわれる、有名なダンス学校。ラバノーテーション(舞踊記譜法)でしられるあのラバンさんの学校がグリニッジにある。日本からの留学生も多く受け入れているので、この名を知っている人は多い。
舞踊学校なだけあって、学校付属の劇場があり、Bonnie Bird Theatreという。観客席は350くらい。プロセニアム形式の劇場で、壁が黒く(おしゃれ。ちなみにラバンセンターの建物自体も七色に輝いていて、重要建築物の1つ。建築を学ぶ学生さん必見の建物として有名)とても見やすい。良い劇場なのだが、今ひとつ知られていないのとおそらく警備の問題であまり公演数が多くない。もったいない限りである。
ちなみにスタジオシアターもあり、こちらは観客席を自由に設定可能。(およそ150席くらいだろうか)私がはじめてロンドンにきたときには母校の学生さんに混ぜてもらってそこのスタジオシアターで踊らせていただきました。なつかしい。もう4年以上前の話し。
ここにはボニーバードコレグラフィーファンドというのがあるからだしてみろと前にいわれたことがあります。若い振付家のための助成金です。ただしラバン出身の人が圧倒的に有利なのは確実だけれど、、、。

2009年4月6日月曜日

ロンドンの振付家⑥ Siobhan Davis

Siobhan Davis
UK ダンスを引っ張ってきたSiobhanさん、今年の春はVictria Miro というロンドンでも最も有名なギャラリーの1つでパフォーマンスを行なっている。そこのコレクションということになっているので、展覧会期間中、普通の美術品と同様に常設展示されている。つまり毎日3時間以上のパフォーマンスをダンサーは繰り広げ続けているのだ。これはある意味画期的なことではないだろうか。(ちなみにそこのコレクションには草間やよい水玉シリーズも含まれている。すみません。漢字がでてきません)
現在はエレファントキャッスルにスタジオを構え、作品制作を行なっているだけでなく、地域と連動したダンスイベントや、ワークショップ、若手のためのショーイング企画などを積極的に行なっている。(クラスの項目にスタジオ情報リンクしました。インディペンデントダンスというのがプロジェクトネーム。スタジオのページはこちら
ギャラリーでのパフォーマンスをみているとトリシャブラウンの作品が思い浮かべられる。独特の空気感とかるさ。しかしところどころユーモアのセンスがあり、(しかしこれは年齢層が高いダンサーたちのキャラクターによるのではないだろうか)とてもイギリスらしいと私は思う。(アンナ ウィリアムズの雰囲気もにていると私は思っている。)
過去に動物の謝肉祭(彼女の初期の作品)をみたことがある。ばりばり劇場ダンス。しかしやっぱりユーモアのある人だと思う。(ちなみにその時みたランバートの公演3作品の中で一番良かったのがその作品。今でも残る、いいものだと思う。)