2009年1月22日木曜日

パフォーマンスアート

たまたまのことだがここのところ日本でパフォーマンスアートをよく見かける。NIPAF(日本国際パフォーマンスアートフェスティバルの略、主宰は霜田誠二さん)というグループに出会ってしまったせいだが、そもそもパフォーマンスアートとパフォーミングアートの違いがわかっていなかった身(辞書をひいていみましょう。簡単にいえばライブアートというか身体も用いたアート文脈のパフォーマンスと舞台芸術全般の違いでしょうか)としては勉強しなければ行けないと思ったのでした。
その矢先英国のパフォーマンスアートについてのっているページを教えてもらったのでご紹介。
これ総括ページのようなものでとても使えると思います。そもそも何?からどうやったらできる?まで幅広くでています。
Lois Keidanさんによるロンドンの団体。


2009年1月19日月曜日

ロンドンでダンサーになろうという方へ② ビザ

私たちは海外からの労働者ということになるので、特別なビザが必要になります。英国には(特にロンドンには)たくさんの日本人がいますが、それぞれビザの問題をクリアした上で暮らしています。そのためのいくつかの方法をいかにあげます。

☆観光ビザ
日本人は6ヶ月以内であれば、ビザの必要なしに滞在することができます。俗にいう観光客の人用です。例えばオーディションをうけに2週間滞在ということは全く問題ありません。たまにパスポートコントロールでオーディションをうけにきましたとかいってしまう人もいますが、そんなことはいわずにっこり笑顔で通り過ぎましょう。
このビザでは6ヶ月を過ぎて滞在したり、労働をすることはできません。

☆学生ビザ
学校に通うためのビザです2種類あり、アルバイトが可能なものとできないものがあります。アルバイトができる場合週19時間までは可能。ただし、エンターテイメント業につくことはできません。

☆IGS
何の略だったか忘れてしまいましたが、大学、大学院を卒業後2年間(今年延長になりました)仕事探しのために滞在していても良いよというビザ。仕事探しということで、様々な職種へチャレンジできるよう、すべての職種につくことができる。各学校へ教えにいったり、ダンサーとして働くことも自由。従って、このビザのある子は自営業者として登録していることが多い。

☆ワークパミット
労働許可証。カンパニー(会社でなければならず、この条件を満たすダンスカンパニーの数はそれほど多くない)の労働者として雇われる際に発行される。それ自体はビザではなく、しかしこれがあれば付随してビザが発給される。これをだすためには28日以上前からの告知(英、EU圏内)、オーディションの開催、それでもこの人でなければならないという理由が必要で、一般の職に比べてエンターテイメント業はとりやすいといわれている。
私が現在有しているのは6ヶ月ごとのタイプで国外にすむ特殊技能者を呼び寄せるという形をとっている。(従って6ヶ月ごとに英国をでなければならないが、大抵ツアー中などに申請をする)特殊技能者なので、他の仕事に就くことは不可。そのカンパニー以外の仕事につく場合はその都度異なるパミットを申請しなければならない。
日本から公演で訪れる場合はまずこのビザが必要になる。また、このビザがないのに勝手に公演などをしていた場合、カンパニーはおとりつぶしになるのだそうだ。

☆婚約者ビザ、配偶者ビザ
英国人と結婚した(する)人にはビザがでる。もちろんなんの労働も可能。英国人だけでなくフランスなど他のEU人と結婚した場合も自由に行き来できる。
友人のしんは「もしプレイスプライズで優勝したら25000ポンドで偽装結婚できるんだって」とがんばっていたが、残念ながら優勝はできなかった。ちなみに彼の情報によると結婚後2年が経過するとそのままレジデンシーを有することができるので、そこで離婚すればいいのだとか。ほんとうなのか?

☆レジデンシー
俗にいう永住権でしょうか。
ワークパミットワーカーとして5年働くと、レジデンシーがとれると聞いています。レジデンシーを所得後は英国人と同じように労働することが可能になります。つまり振付家/ダンサーとしてあらゆるカンパニーを自由に行き来できるということ。EUダンサーははじめからこの立場にいるので、日本人は大変不利です。特にプロジェクトベースの小さな仕事(3ヶ月単位等)はIGSかレジデンシーを持っていなければ難しいでしょう。

☆アーティストビザ
実はこのビザ、なくなってしまいました。現在はワークパミットか、学生の形にして滞在せざるを得なくなっています。友人でこのビザだったこがいましたが、結局ビジネススクールへ通うことにしました。

EU以外の人間にとってビザの問題はかなり大きいです。たいていの人は学生で留学する形をとりますが、英国は学費が高い。およそ年間1万ポンド。ちなみにEU人は3分の1以下です。アルバイトはできますが、制約も多くあります。
また、長期滞在を続けると語学学校に行き続けるのはかなり難しいです。何を目指したいか、目標をしっかり持って留学、滞在すべきと考えています。

私の友人の韓国人は某カンパニー(地方の大手カンパニー)に所属していましたが、契約が切られ、ビジター、観光扱いでがんばって滞在しながらオーディションを点々としていました。しかし、仕事が見つかる前に、不法滞在扱いになり、ドイツから英国に戻ろうとしたら空港で足止めされてそのまま母国(韓国)へ強制送還。フラットにおいてあった荷物などは当時のフラットメイトに頼んでおくってもらうことにしたそうです。
強制送還例は私がしるなかで3回見ていて、語学留学できたのに働くつもりできたのだろうと疑われて入国できなかった美容師さん、留学中の彼女の元に滞在していて、6ヶ月ちかく滞在したので一時的にフランスなどへ逃げて戻れば大丈夫だろうと思って一回出国戻ろうとしたらつかまった音楽家さんをしっています。
冗談だとおもうかもしれませんが、移民が増えて困っている英国では、不法労働者、滞在者に対する締め付けはどんどんきびしくなっています。きちんと調べてみることをお勧めします。


2009年1月18日日曜日

ロンドンでダンサーになろうという方へ

変なタイトルになってしまいましたが、New art club ついでにダンサー/振付家になるまでについてかきます。
基本的にダンサーになりたいと思った子は大学あるいは専門学校にあたる学校へ行きます。俗にいう大学卒業資格BAをとり、しかしそう簡単に仕事が見つからないので修士MAをとり、ラッキーにもそこでうまく仕事が見つかればアペレンティスになります。
アペレンティスというのは研修生という制度で、卒業後各カンパニーの見習いダンサーとして働きます。LCDSのMAには提携カンパニーのアペレンティスになるコースというのがあります。もしくは各大学、学校の卒業生カンパニーにはいって経験を積みます。LCDSではEdge、ラバンにはTransitionがあります。これらのカンパニーは学校付属で、学校のシアターでの公演があることはもちろんですが、UK,ヨーロッパ内をツアーでまわります。作品はUKの若手振付家の作品で毎年異なります。ちなみにこれらのカンパニーにはいるには半分学生なので学費を払うことになります。だから完全なプロとはまだいえません。しかしこのカンパニーにはいるのにもオーディションがあり、卒業生の多くははいれずあきらめることになります。(もちろん各自で他のカンパニーをうけたり、自分たちでカンパニーを作ったりして活動しはじめる人もいるが地元に帰る人もいる)
その修行期間が終わる頃、がんがんオーディションを受けまくるということになります。働いているうちに人脈ができて、オーディションを受けたときに受かりやすくなるといわれていますが、実際にはかなり厳しく、特に女の子は仕事がありません。(逆に男性はかなり受かりやすいです。現在ロンドンダンス男女比はおよそ9:1。女性の方が圧倒的に多いのです)
ロンドンの大学をでた学生には2年間どのような労働をしても良いビザがでます。(今年改正されましたが昨年までは1年でした)従って、カフェなどでバイトをしながら、ダンサーとして時々働きながら生き延びるたくましきダンサーたちがたくさんいます。
しかし現実問題として、そのような生活がいつまでも続くわけではなく、日本人の場合その2年間の間に「労働許可証」をだしてくれるカンパニーに出会えなければ帰国しなければなりません。ヨーロッパ人の場合はそういうビザの問題はないのですがそれでもずっとオーディション待ちダンサーをするのはかなりきついです。
日本人で長く続けていらっしゃるダンサーさんもたくさんいますが、英国人と結婚して生活の不安がなくなった状態で続けていらっしゃる人がほとんどです。これは日本でもそうですが、ダンサーだけで食べていくというのは非常に難しいのです。私のようにたまたまがたくさん重なっている人もいますが、それはすごくレアなことだと思った方が良いと思います。
カンパニーダンサーとはいっても英国のカンパニーのほとんどがプロジェクトごとの契約を交わしていて、日本でいう終身雇用のような考え方はありません。ロイヤルバレエのみそれに近い制度があります。他のヨーロッパと比べるとまだ長く続けるダンサーが多いといわれていますが、それは英国カンパニーのほとんどが学校制度と結びついているからで、年間を通しての契約が可能になっているのは、教える仕事などを含めての契約だからです。そうではないカンパニーの場合、1ヶ月から3ヶ月くらいの単位で契約を少しずつ結んでいくことになります。
プロジェクトベースの場合、作品が売れれば公演も増え、収入も増えますが、売れなければ仕事がなくなります。従って生活はかなり不安定です。ラッセル(マリファント)は昔はスエーデン式マッサージの仕事をしていたとよく話していました。またダンサーがより良い条件を求めて移動する自由がある反面、振付家の方針で使われなくなることはありえます。ラッセルカンパニーでも「できる限り同じ人をつかいたい(なぜなら身体を作り上げていくその過程もまた作品作りだから)」という方針にも関わらず2007年にはメンバーの半分が入れ替わり女性から男性へと変化しています。カンパニーメンバーになったからといって、ずっと安心というわけではないのです。
私はダンサーという仕事は将来何かになるための研修期間のようなものだと考えています。振付家として自分の作品を作るための、あるいは教師として様々なダンスを伝えるための。いろんな考え方があると思いますがダンサーになることだけを目標として生きていくのではなく、その先に何ができるかを考えてみることは大切だと思っています。

このような状況をうけて大学などでの教える仕事や、カンパニーの運営できる環境を求めて地方へ移住するダンサーたちが増えてきました。アーツカウンシルイングランドの項目でもかきましたが、英国ではコミュニティーダンスの考え方が浸透していて、社会にいかに還元できるかを説明できなければ作品制作を続けることが難しいです。また英国の地方に文化を浸透させるために各地方にダンスセンターを設立しており、そのようなところと協力して作品制作やワークショップを行ないながら自分の活動を続けるという人がいます。
そのためにも修士(MA)などの資格が必要ということで、高学歴ダンサーが増える傾向にあります。

なお、ダンサーたちは仕事を求めてヨーロッパ中をまわるようになりました。どこの国のオーディションを受けにいってもロンドンダンサーがいます。ロンドンは学校がたくさんあって、ダンサーが余っているのです。ライアンエアとイージージェットを使えばヨーロッパ中どこへでも。特にヨーロッパ人はビザの問題がないため、自由に職を求めて移動できるのです。
おそらく今後このような流れは一層進むだろうと考えられます。日本でも同様に。


ロンドンの若手振付家⑥ New art club

New art club
よくにた背格好の男性2人組。踊りもおどるが、彼らの会話にファンがいる。gDAのキャバレー企画によくでてくるのもそのせいで、日本でいう漫才コンビのような感じがする。
昨年見た"invisible man"は文字通り透明人間の話し。彼らのような、ユーモアを含めた、でもちゃんとおどるという作家がロンドンには非常に多い。その中で頭1つでているのだから、えらい人たちである。基本的にこの二人だけで公演。
普段は大学で働いているという話しを聞いた。現実問題としてダンサーとして生きていくのは本当に難しい。特に家族がいたら不可能だ。地方の(ちなみにLeicesterはロンドンから1時間10分)大学などにつとめ、学校で教えながら、その大学の施設を使って作品を制作していくのが一般的な振付家路線ではないかと考える。長い目で作品を作り続けていくためには生きていく手段を考えるのは当然のこと。アーティストレジデンスに近い考え方で、ある程度の年齢になると皆地方へ移動していく。

2009年1月12日月曜日

ロンドンの若手振付家⑤ 3人のベン

ロンドンには3人のベンがいる。
なぜかわからないが3人とも似たような名前のカンパニーなので、いつもまちがえる。私だけでなくエディ(プレイスダイレクター)もそういっていたので、狙っているのだろう。
Place Prize 2008振付家。20作品のほとんどを見て、これがファイナルに選ばれたら私は納得できるのにと思った、「ダンス(劇場の)とはなにか」を覆す作品。そもそも夏休みのリハーサル期間中から話しはスタートする。「作品を作るのにボランティア募集」という張り紙があちこちにはられていた。「しかし集まらなかったのだ」という。「だから今この場で勇気あるボランティアの協力を頼みたい」ステージ上にあげられた観客はきんきらきんの恰好にさせられて、なぜかディスコダンス開始。観客にもキラキラ眼鏡を配り、ミラーボールをまわし、お祭り騒ぎを起こして作品は終わる。計画的確信犯。
振り付けというものの概念をぶっ壊したという点で画期的で、その伏線(思い返せばチラシはってたなとか)を張り巡らしていた様を思い出し「やられたと思う」作品。しかし審査員には理解ができなかったらしく、ファイナルへは通過できなかった。ちなみに普段はこの人普通の作品を作ります。ついでにアシスタントとしてでてたダンサーはとても良く動けるダンサーとして知られた子。
The dog kennnel hill project率いる振付家。PlaceのSpring loadedなどで作品を発表する常連振付家の一人。手堅くきっちりおどりつつ、ユーモアを含める手法に定評がある。なぜかアフロヘア。かっこいいダンサーさんなのだけれど、ファッションセンス変だよねという私の友人の意見。
☆Ben Duke
Lost dog 率いる振付家。ちなみにこのlost dog の照明はJackie Shemesh 担当。今プレイスが大事に育ててる振付家第1位ではないだろうか。
インタビューがでているのでこちら
ダンサーが総入れ替えするなどの危機を乗り越え、確実に活動を続けている。彼のところのダンサーはとても個性的な人が多く、エネルギー量も高い。それを扱いこなせるということはつまりは構成力がある人なのだろう。

ロンドンの若手振付家④ 南村千里

南村千里
南村さんは元カンドゥーコのダンサー。耳が聞こえない。しかし読唇術(日本語)、手話(英、日で違うが両方使い分ける)を駆使して英国で作品を作り続けている振付家。
Place Prize 2008で発表した作品は、耳が聞こえない人がどのようにして音を感じながらおどるか、音を見ることはできないか、という彼女の経験から作られた作品。作品の写真はここをクリック。コミュニティーダンスで知られる英国ではあるが、彼女のような存在は珍しく、彼女の存在がまた全国の(あるいは全世界の)耳のきこえない人々の希望となっている。
もちろん作品を制作するのは大変なことで、ダンサーも手話ができる人限定になったり(実際ダンサーが怪我をしてしまい、代役の人を探すのにとても苦労したという話しを聞いた)、説明会などに手話通訳の人をお願いしなければならなかったりと、大変なこともたくさんある。しかしいつも笑顔で、自信を持って動くその姿は、人の心をうつ。私も多く励まされた。
彼女の作品の制作過程はBBC( 国営放送)で取り上げられ、多くの反響をうけた。

その後(2009年1月から3月)彼女はダンサーとしてストックホルムで働いている。
以下は私のブログより書き抜いた部分。


さて、ストックホルムであった南村さんの話しをしようと思います。カンドーゥコのダンサーとして活躍後、現在はフリーのダンサー/振付け家として活動をはじめ、いまもロンドンがベース。しかしなぜストックホルムにいるのかといえば、ダンサーのお仕事でよばれてとのこと。Ricsteaterns tyst teaterというところの作品に参加するとのこと。(なお、ストックホルムでの公演地は私たちと同じdansens hus)3ヶ月のプロジェクトで耳がきこえないダンサー(南村さんと南アフリカ出身の男性ダンサー)と耳がきこえるダンサー(スェーデン人)計4人の作品。仕事の中にスエーデン各地でのワークショップも含まれているらしく、休みがほとんどない!(土曜日も目一杯踊っているのだとか)と忙しそうでしたが、とても楽しそう。
南村さんは耳が聞こえないのですが、手話と読唇術を身につけているので、普通にコミュニケーションがとれます。手話も世界各地で違うらしく、それは大変そう。前にあったときには英語の読唇術は今ひとつでといっていましたが、最近は大分マスターしたそうです。ものすごい努力家さんです。

ロンドンの若手振付家③ Darren Johnston

Darren Johnston
その昔はじめてロンドンにやってきたときに友達となった振付家。しかし振付家と呼ぶべきかどうかはわからない。彼自身は映像も作るし(テレビCMの下請けとかをアルバイトとしてやるらしい)、作品自体もかなりアート色が強い。
2007年にエジンバラで5つ星をとった作品"Ren -sa"はまず観客は目隠しをされてバスになるところから作品が始まる。つれてこられた謎の教会でパフォーマンスを見るのだが、30分以上経過したところで床下から手が!。映画のリングを思わせる衝撃の作品。
その後作成した”Outre”はQEHで上演された。(しかしこの作品については賛否がはっきりわかれている。私個人の感想としては、あの劇場で見るものではないとおもった。)
日本の文化にとても興味があり、過去2回来日。日本の大学でレクチャーをしたり、パフォーマンスをしたりと活動もしている。また日本をテーマにした作品を作ったり、日本人ダンサーとのコラボレーションを行なったりと今後楽しみな人材。
現在の活動拠点は日本だがKappa-te率いる白井麻子は彼の作品に参加していた。ロンドンダンスに詳しい一人。

ロンドンの若手振付家② Anna Williams

Anna Williams
多分Place Prize 2008の中で最も評価が高く、また最も作れる人はこの人だと思う。
元々はラッセルマリファントカンパニーのダンサーとして活躍、現在も時々リハーサルダイレクターなどの形で手伝ってくれている。
動きはアブストラクトだが、美しいラインの使い方と、テキストの読み取り方、構成力に優れていて、単にきれいだけで終わらないものを作る。ただ、おもしろいかというとそういうわけでもない。きちんと手堅く、丁寧に作品を作る人。うまい。
最近作はGate theater プロデュース、その後Sadler's wells ( リリアンベイヤーズ)で再演されたI Am falling.このようにかっちり作られた振り付けというものが私は好きではなかったが、テキストとこのように対応して作り合うことができるということに感動した。かっちり作るからこそテキストと向き合える。シェークスピアからの演劇的土台があって、だからこそ、英国のダンスはこうなんだと納得させられてしまった作品。

ロンドンの若手振付家① Dam Van Huynh

Dam Van Huynh
フェニックスダンスにいたダンサー兼振付家。フェニックスダンスにいたが、契約が切れて国(アメリカ)に帰ることになったと聞いていたけれど、復活できることになったらしい。1月6日付けでオーディション告知をだしているので、振付家としてがんばろうとしているのかもしれない。
Place prize 2008でファイナリストに選ばれ、10日間連続オーディエンス賞を受賞した実力の持ち主。作品はといえば「3men in pants」。三人のマッチョな男性ダンサーがパンツでバリバリおどってるというもので、「これが一位をとり続ける(それもダントツで)ってどういうことよ、それでいいのかロンドンの観客は」といわれながら、しかし英国民のストライクをついたのだからそれはそれですごいことなのだろうと思う。ちなみに本当にバリバリおどります。とても英国ダンス的だと思うし、こういうのを見ると私はダンサーといってはいけないなとつくづく思ってしまいます。
ちなみにその年のPlace prizeはAdam Linderというこがとっています。

2009年1月8日木曜日

ロンドンの助成団体⑤ Sasakawa foundation

Sasakawa foundation
英国(ロンドン)日本に特化した助成団体その③はグレートブリテン笹川財団です。が、私はあまり詳しくありません。ここの申請は学術団体などに限られ、私のように個人で活動しているひとには縁がありません。
ただ、アシュフォードさんは「笹川はだすとうかると聞いた」とどこから聞いたんかいなと突っ込みをいれたくなるような情報をくれました。なお、HP上には75%が採用される(ただし申請金額全額がでるとは限らない)とかかれています。これは正直言って驚異的な数字だと思います。どこからお金がでるのか気になるところです。
従って英国でなにかイベントを開催するような際にはぜひ確認を。

ロンドンの助成団体④ Daiwa foundation

Daiwa Anglo-Japanese foundation
日本語のページはこちら。私たちの中では大和と呼ばれるこの団体、リージェンツパークの中にオフィスを構えている。事務所の他ギャラリースペースもあり、日本人作家の作品を紹介している。私もそこに展示している作品からイメージを得てパフォーマンスを行なわせていただいたことがある。
日本人アーティストの紹介ということで毎月紹介イベント、トークなどを行なっている。日本マニアな英国人が多数集まっていて、ロンドンでは密かに知られている場所である。なぜこれほどたくさんの人が集まるのかといえば、ここにはスカラーシップ制度がありそれで日本で日本語を学びにいったんだ(ちなみに期間は1年以上で独自のプログラムに基づいて指導を受ける。それでいっていた人は、皆日本よかったよーと思い出話を語ってくれる。親切な人が多い)という人が実はかなりいるからである。友人の振付家Dはこれに応募しようとたくらんでいる。
前出AODにも助成。
金額は大きくないらしいが、個人でも申請可能な数少ない助成団体。

ロンドンの助成団体③ Japan foundation

このページを読んでいるということはおそらく日本人(たまにあり得るのが日本語堪能な韓国人)なので、日本系のfundingシステムをご紹介
日本語でいう国際交流基金は英語表記でこうかく。ヨーロッパにはロンドンの他パリ、ケルン、ブタペスト、ローマに支部があるらしい。ロンドン支部は当然のようだが英語圏なこともあり日本人も多く住むせいか日本関連イベントもかなり多い。
おおよそ月に一度くらいのペースでセミナー/レクチャーを開催する他、各種助成申請なども受け付けている。担当の竹川さんには大変お世話になっています。ただ、竹川さんがいうにはジャパンファウンデーションの範囲はダンスだけではなく学術、教育プログラム等多岐にわたるため、ダンスにあまりお金をつぎ込むことはできないのだとか。
日本語訳の通り国際交流を目的としているため、英国アーティストとのコラボレーション、英国の大学とのリサーチプロジェクト、日本のダンスカンパニーが英国で公演をする際にはまず間違いなくここに関わっています。
最近でいえばAOD( artist open door)というミドルセックス大学と早稲田大学の「日本のコンテンポラリーダンスをロンドンに紹介するイベントを助成し、いくつかのディスカッションがここのオフィスで開催されました。山田うんさん、手塚夏子さん、Kentaro!くんなどが参加しておりました。私もパネラーとして参加しました。(AODについては別途記載)
残念なことに例えば私が英国で作った作品を日本へ持っていくことに対しての申請はできません。また私が英国の友人と作品を制作する場合も英国にいる身なので申請ができません。逆に言えば日本にいる方が英国で作品を発表したり、制作するための制度ともいえます。

ロンドンの助成団体② British council

British council
ブリティシュカウンシルにも当然助成制度はある。が、残念ながら外国人は申請することができません。従って私はいまだこの項目をほとんどよんでいないです。ごめんなさい。
しかし基本的に英国人(British)のカンパニーが世界的に活動するためにどうするか?いかに英国ダンスを広め、いかに売るかを考えているところ考えてみてください。従ってここのように様々なイベントを各地で開いたりします。
ただもし日本人と英国人とのコラボレーション作品などを作ることになった場合、ここのお世話になることもなくはないでしょう。

ロンドンの助成団体① Arts council England

Arts council England
英国と私たち日本人は呼ぶがUnited Kingdomは大きい。4つの国が合わさった連合国のようなものである。ロンドンのある地域はイングランドと呼ばれ、当然その地域の行政団体が存在する。日本でいえば地方自治体があるようなものか。サッカーのワールドカップを思い出してもらえばわかるだろう。あの白地に赤十字のユニフォームはイングランドであってブリテイッュ、UKのものではない。
さて、そういうわけでイングランドの文化庁のようなところがこのアーツカウンシルイングランドである。さらにそれでも大きいので各地方ごとに分かれている
ここの助成はイングランド初の文化を育成したいということで、英国に住む外国人(例えば私のような)も申請ができるようになった。実はこれは昨年からのことで、移民の国となりつつある英国の現状を表しているとも思う。また地方の文化育成のため、地方公演、地方制作の舞台を積極的に支援している。(ロンドンの他最低2カ所の他地域での公演をすることが申請の際の条件となるし、ロンドンからだしたらまず通らないといわれている。従って友人には実家などをフル活用し、本当はロンドンに住んでいても地方から申請するものもいる)
ロンドンオリンピックがあったり、宝くじが売れなくなったり、予算が削減されて厳しい状況ではあるものの、ロンドンダンスにとって心強い味方であることは事実。ただ、最近「自立できないところはきる」という厳しい姿勢にかわり、総予算の60%は自らうみだせることが必要とかかれていた。現実問題としてChisenhale dance のようにいきなり予算削減をうけて運営ができなくなろうとしている団体もある。
2008年から11年の間の予算は1.3billion pounds が政府から、0.3billion pounds がナショナルロッタリー(つまり宝くじ)からくるのだという。なお、宝くじからの支援は受けたくないという人はその旨を申請書に明記すれば、それ以外の予算からあてて支払われるという制度がある。

ショーケース① decibel

decibel
マンチェスターで2年に一度開かれているダンスのショーケース。ダンスだけでなく演劇、パフォーマンス、劇場外での公園でのパフォーマンスなどもふくまれている。(最近はその辺りの境界があいまいになっていると思う、なのであまり詳しくはつっこまない)
私は訪れたことがないが、やってみたらと紹介された(応募しても採択されるかどうかはわからないのが痛い)。アーツカウンシルイングランドと連動しているため応募書類もほぼ同じものが使われている。また正式に受け入れられた場合、移動のための費用や、滞在費などもだしてもらうことができる。(さすがにギャラはでないです。)英国の他の地域へ自分の作品を紹介する良い機会といえる。
このショーケースのポイントは応募に3種類の方法があって①既に完全に出来上がっている作品②できていないけれど、作っている途中の作品、③まずはアイデアを紹介したい、とりあえず様子見のように現在の状況に応じて参加することができる。例えばこのdecibelのときにワークインプログレスだった作品をその後プレイスなど劇場で正式に発表できるように成長させることができる。また販売(言い方が変だが)することができる。
また、このショーケースにだせるように作品を助成金をうけて制作するということも不可能ではない。(現実的にはアーツカウンシルは最低3カ所での公演あるいは1回の海外公演と2回の英国内公演をといっているので、このショーケースだけでは難しい。)
日本にはない制度でもある。
次回開催は2009年9月。1月に締め切りということで、応募はまだまにあう。

ロンドンのダンス情報を知る⑥ British dance edition

British dance edition
一般にBDEと紹介されるこのイベントはブリテイッュカウンシルが開いている2年に1度の大ショーケース。世界中からプロデューサー、ダイレクターを招いて英国カンパニーの公演を行います。一カンパニー30分以内、従ってその年に作った作品をダイジェストにしたもの(あるいは30分以内の小品)をみることができます。これらの公演は一般には公開されていないので、事前にブリテイッュカウンシルと連絡を取り合った方が良いとは思いますが、英国ダンスの全貌を知るとてもいい機会だとおもいます。(なお、毎回日本からどなたかが招かれます、2年前にはTpam丸岡さんにお会いしました)
2008年1月にはリバプールでひらかれました。リバプール中の劇場と大学をフル動員しているので皆ではしごしながらみます。次は2010年になります。
当たり前ですが英国中のダンサーたちが集結してくるので、ロンドンあるいは地方の友人にばったりあったりします。ひさしぶりだねえ、元気ー?という会話からはじまり、密かにダンサーたちのネットワークのために役立ったりしています。国中からみんな大集合なんてなかなか機会がないとできないですものね。
このようなイベントが開かれるのはダンスが英国の一産業として認められているからです。ビジネスとして、英国を広めたり、雇用を促進するのに役立つという考えがあります。

ロンドンのダンス情報を知る⑤ British council

British council
ロンドンダンスを語る上で忘れてはいけないブリティッシュカウンシルを紹介します。日本でいうと文化庁に相当するんでしょうか。英国の教育、アート、科学などを紹介するのが主なお仕事になります。従って留学などの情報もここの中にでています。ダンス留学に限らず英語の留学も含まれます。
実は日本にもブリティッシュカウンシルはあって、相談にのってくれます。ちなみに世界各国にあり、それらが英国ダンスカンパニーを招聘して公演を行うイベントなどを開催していることがあります。
英国のアートについて調べたい場合はまずここをチェックしましょう。
日本語のダンスページもありますがここはそこから英語のページをひらいてみましょう。
英国のダンスカンパニーの基礎情報がでています。みればわかりますが大規模のカンパニーは俗にいうバレエカンパニーレベルで20名以上の大所帯です。おそらく日本で見かけるようなカンパニーは中規模のカンパニーとして紹介されています。もちろんソロ、デュエットで構成している/あるいは小作品だけを作っているちいさなカンパニーも多くあります。ここに紹介されているのはブリティッシュカウンシルが助成を行うくらいの知名度があるカンパニー。もちろん、そこまでいかないところはたくさんあります。