2008年12月29日月曜日

ロンドンの振付家④ Russell Maliphant

☆Russell Maliphant
身内のことを語るようで恥ずかしいので簡単に説明します。
ラッセルマリファントは47歳の振付家。元々サドラーズロイヤルバレエにいたものの、怪我をして、ヨガ、タイチ(太極拳)、カポエラ、コンタクトインプロビゼーションなどを学びました。それまでも妻のダナ(名ダンサーです)と一緒にほそぼそとカンパニーを運営していたものの、ある時シルヴィーギエムさんに見初められて大ブレイク。代表作PUSHで日本でも公演を行いました。
カンパニーと彼自身の持っているプロジェクトがあり、彼自身のプロジェクトでは来春Eonnagataというタイトルでシルヴィーさんとロベルトルパージュ(映像の魔術師!)とのコラボレーションワークを発表します。前にビデオみたときには刀振り回して、着物のようなものをきていて日本人としてはハラハラドキドキしました。どうなるのでしょう。
カンパニーの方は本人が忙しくなると休止してしまうという難点があって微妙な感じですが、ロンドン屈指のインターナショナルカンパニーとして知られています。主な活動の地はフランスですが、、、
カンパニーのHP(本人のものもすべてのるはずなのですが、ずーっと更新されていません、、)みても最近の写真もでていないので、情報がわからないと思います。仕方がないのでyou tube でみつけたTWOを。私はこれをフランスでみてしまったので、ロンドンへ移住することになってしまいました。

eonnagataドレスリハーサルを見ました。そして、サドラーズ公演が始まりレビューがでています。正直にいってあまりいいできばえではありません。現地レビューでは2つ星もあり、ギエムさんが踊る作品としては前代未聞なことです。しかしルパージュの過去作品はいつも大幅に改定を繰り返しながら成長し続けることを私は知っているので、これから良くなっていくのだと信じています。(レビュー詳細はballet.co)
eonnagataは確実に日本へ行くと思います。しかし日本人としてはすごくがっかりしたという感想を述べてしまいます。







ロンドンの振付家④ Matthew Bourne

Matthew Bourne
マシューボーンはAdventure in mortion pictures (現在はNew adventures。上のリンクはカンパニーのもの)を率いる振付家。おそらく日本で最も良く知られている英国の振付家といえるだろう。それもそのはず、彼のほとんどの作品は日本で上演されているのではないだろうか。
代表作は映画リトルダンサー(ちなみに英国での同映画のタイトルはBilly Elliotで、同名のミュージカルも大ヒットしている)の最後にでてくるアダムクーパーの背中をみてファンになってしまった人も多い"Swan lake"、カルメンを自動車修理工場の話しに仕立てた"The Car men"、ド派手な衣装で話題になった”くるみ割り人形”など。
この人の特徴は誰もが知っている古典を現代おきかえ、さらに豪華なセットと衣装、大人数の群舞で華やかに作り上げるところ。ミュージカル文化が発展しているロンドンらしい人でもある。(ちなみに私が過去見た作品では歌ったり、台詞を言っているところはみたことがない。ミュージカルのようでありながら、踊りだけですべてのストーリーを展開させるのはお見事)
最新作ドリアングレイはオスカーワイルドの小説より。私は読んだことがないが、この国の人にとっては古典なのでしょう、、。(あらすじはwikiを参照)
当たり外れはあるけれど、今でも毎年2、3週間はサドラーズをうめる大カンパニー(ちなみに大きいのでプロダクションごとにグループがあるらしい)、みたことがない方はぜひ一度ご覧ください。

ロンドンの振付家③ Wayne Mcgregor

Wayne Mcgregor
ウェインマクレガーはROH(ロイヤルオペラハウス)の芸術監督であるとともにランダムダンスというカンパニーを有している。(上のリンクはランダムダンスホームページ)
独特のくねくねダンスを有していて、彼自身もとても興味深いダンサーであるそうだ。(というのも私は彼本人のダンスをみたことがない)ただ、ROHにはいってからはバレエ色が強くなり、オーディションをうけにいった友人ダンサーの話しによると(書類選考が受かっただけラッキーという話しもあるが)「まるまるバレエクラスだけだった」とのこと。身体性を追求していった結果、バレエの身体に興味を覚えたということだろうか。
ちなみにこんな作品の制作風景を発見。




彼の作風が好きか嫌いかは分かれるところだが、英国コンテンポラリーダンスに多大な影響を及ぼした一人。多くのダンサーがこのカンパニーにはいりたくて(あるいは彼の作品を踊りたくて)日々訓練している。




ロンドンの振付家② Akram Khan

Akram Khan
バングラディシュ系ロンドナー、アクラムカーンはSadler's wells のアソシエートアーティスト。カンパニーの活動と、アクラム個人が行なっているプロジェクトの両方を有しています。
カンパニーの方で知られているのはBahok.なぜか北京舞踊団のダンサーたちとのコラボレーション。(ちなみに制作時期がラッセル作品と一緒で、サドラーズでよくあったりしていた)
個人プロジェクトの方は日本にも良く来ていて、Zero degree(シィデイラルビシュルカウエイとアンソニーゴームリーとのコラボレーションワーク)、Sacred Monsters(シルヴィーギエムとのコラボレーションワーク)、in-i(ジュリエットビノシュとのコラボレーション)などがあります。ちなみに私の作品を手伝ってくれた音楽のアリスとセットの針生康はSacred つながり。おもえばすごい人に手伝ってもらってしまったものです。
アクラムさんはバングラディシュ系なせいか、民族問題を扱うことが多く、台詞も多いのだけれど、台詞はいいから踊ってくれといいたくなるくらいのカタックダンスの名手です。実際作品中にもかなりでてきます。(Sacredのなかにはまるまんまカタックシーンがはいっていて、見所になっています)この台詞というのが好きかきらいか微妙なところでしょう。ちなみにドラマツルグはギーというおじさんで(失礼!)、シィディラルビ作品も担当している売れっ子。でも私はあんまりすてきとは思えない、、、。これは私の英語力の問題だろうか、、、。
アクラムカンパニー/プロジェクトの衣装を担当しているのは日本人のKei Itohさん。(ごめんなさい、漢字がわからなくて英語表記です)シルヴィーの脚を知るおそらく唯一の方で(ラッセル作品でもPUSH/シルヴィー版の衣装でかかわっていただきました)、とても面白い話しを聞くことができます。


ロンドンの振付家① Hofesh Shechter

Hofesh Shechter
今ロンドンであるいはUKで一番売れている振付家は誰かというとこのホフェッシュと思われる。確か私と同い年(30代前半)ではないだろうか。元バットシェバダンサー。そのせいかナハリン影響は多く見られるけれど、とてもうまい作り手だと思う。
2004年のプレイスプライズでラファエロ ボナチェラと観客賞を2分するが、残念ながら受賞できず。しかし、その力量を買ったプロデューサー達がプレイス→QEH→サドラーズという1年間の間に一作品(1カンパニー)を育て上げるプログラムにのっかった。その代表作Uprisingは男性群舞。(ちなみにうちのカンパニーのシンはそのオリジナルメンバー)こんな作品。



現在助成金が激減し(これは不景気とオリンピック対策に伴うもの)、厳しい状況の中、ホフェッシュ一人勝ちといわれたりもする。多くのカンパニーや学校にホフェッシュ作品はレパートリー化されたのでみたことがある人もいるかもしれない。(恐るべきことに、学生であろうとプロダンサーであろうとある一定の作品レベルに達する。ということは身体の作り方がそれだけ伝達しやすいというか、独自のシステムが確立しているということ。)
Uprisingのイメージから群舞の人な感じがするが、私がはじめて見たのはエリザベッタ(元ラッセルダンサーでもある、イタリア人ダンサー)に振りつけた女性ソロ。プレイスのホワイトクリスマスで発表されたものだが、彼女が懸命に踊り続ける間(ちなみに動きはエリザベッタが作ったと思われる、身内だからわかるんだけれど)、彼はスクリーン越しに観客へ話しかける。「僕はホフェッシュ、彼女は僕のダンサーのエリザベッタ、、、、」ペットかのように飼いならされているエリザベッタ。動けば動くほど(ちなみに彼女は多分ロンドン一よく動くダンサーだろう)、支配下にあることが見えていく。シンプルな作品だったが、視点が明確で、非常に面白かった。ちなみに当時ホフェッシュの名を知らなくて(不勉強ですみません)、ブレイクして、あああのときの人と知った次第。
なお、ホフェッシュの強みは音楽を自分で作り出すことができること。最近こういう人が増えている。自分で音楽も/映像も作ってしまう完璧主義者タイプ。30代前半より若い世代はまずそういう人が多い。コンピューターのおかげでしょうか。

追記ですがこの彼の作品uprising とin your roomはなんとラウンドハウスでも上演されました。ここは1800人規模といわれる円形劇場で、サーカスの演目が多く行なわれています。で、ここでミュージシャン20人と大盛り上がりの会を作ったのだとか。ダンス公演というよりはイベントね、クラブみたいで楽しかったからいいんじゃない?というレビューがでています。


2008年12月24日水曜日

ロンドンではないけれど情報を知る① CND

ロンドンの強みは他のヨーロッパ各国と近いこと。残念なことに海をわたらねばなりませんが、最近では格安航空券(Easy jet , Ryan air)やユーロスターを利用すれば簡単。パリへは2時間往復55ポンド(ユーロスター利用)です。
従って下手に英国の田舎へ行くよりも他の国へ行った方が早いということになり、ロンドンダンサーたちのなかで他国へオーディションに行くというのが当たり前になってきました。多くのロンドンダンサーはイタリアなどEU圏内からきており、労働ビザなどの問題もないというせいもあります。またどうせ実家でないならどこに行っても同じであるという考え方もあります。踊ることができるならどこへでも。
そのためオーディション情報も他国のものも知りたいとなり、このサイトがお役立ち。
このページのoffer d7 emploi de professeur de danseというのは学校の先生の募集。その下はダイレクター他その他ダンス関係の仕事の募集のようです。毎週月曜(現地時間)改訂。

CNDというのはフランスの国立振り付けセンターでパリ郊外のHocheにあります。メディアテック(ちなみに横浜ダンコレの受賞作品はここのライブラリーに保存されています。私の作品も密かにはいってます)やスタジオ(平日朝にはクラスが開かれています。ここも週代わり)の他、小劇場もあり実は結構充実した施設なはずですがなぜか私が行くときにはいつもがらんどう。人がいません。
2階部分にある窓口にいくとフェスティバルやコンペティションの情報を集めた冊子(のようなもの)をもらえます。それらの内容はデーターベース化されているのでHPでみることが可能なはず。しかし難点はすべてフランス語だということです。
某有名カンパニーにいたOさんがオーディション広告を見てダンサー募集とかいてあるのでいったら男性ダンサーの募集だった(女性ダンサー募集の場合はダンスーズなはずなのだそう)。でもうかった(よかったね:))。といっていましたが、気をつけましょう。

ロンドンでダンスをみる⑦ Gate Theatre

Gate theatre
観光客に知られる(なにせ映画のタイトルになっていたくらいだ)ノッテイングヒルの駅そば、パブの2階にある小劇場。通常のパブシアターと異なり(英国にはパブの中に小さいスペースを持っているところがあり、コメディや独り語りみたいな簡単な見せ物を行なっているところもある)完全な劇場です。ダンスというよりは演劇よりで、プロダクションも1ヶ月単位で入れ替わる形をとっている。
ダイレクターでもあるナタリーさんがとてもいい人で、ダンスにも興味があるらしく、少しずつダンス演目がはいるようになりつつある。フランスの振付家ピエールリガルの名作ソロPressをプロデュースしたのはこのナタリーさん。すごい良かったと思っていたら来年サドラーズでよぶらしい(もちろん小劇場の方でですが)。アンナウィリアムズのI Am falling もよかった。ここしばらくの公演はいずれも新聞で4つ星以上のレビューをとっているという目のつけどころがいい劇場さんです。

ロンドンでダンスをみる⑥ gDA

ロンドン郊外(でも市内)のグリニッジにあるGreenwich dance agency の略。プロフェッショナルダンスクラスとスタジオ貸しで知られているが、この大ホール(Borough hall)は劇場としても使用可能。もう2年は前のことになるが、ここに特設劇場を作って(1つ1ついすが違う観客席180席をを円形においた)自作の映像とともに作品を発表したジョセフナジの作品が忘れられない。信じがたいことだが、世界的に有名な、そして私の大好きな振付家だが残念ながら満席にはならず。ここにロンドンダンスといえども「知らない人のものは見に行かない」現実がみうけられる。残念でならない。ナジはフランスの振付家だが、普段はロンドン拠点若手振付家の作品を多く扱っている。
またここの企画でgDAキャバレーというイベントが昨年からはじまり、好評をえている。観客席にはテーブルなども置かれ、酒を飲みながら(特設バーが作られる)話しながら作品をみることができる。10から15分くらいの簡単な小品が並ぶことが多い。

ロンドンでダンスをみる⑤ Round house

カムデンにあるダンス公演というよりはサーカス公演や音楽のコンサートに使われることが多い劇場。キャパ数1800。小スペースもあり、こちらはケーブのような地下室のような感じなので劇場というよりはイベント用と考えた方がいいかもしれない。
英国を含めヨーロッパではサーカスとダンス要素を結びつけた演目が人気があり、そういうものや、カニングハムのオーシャンのように円形の特殊な空間で行なうべき演目に限られるが年に数回はダンス演目がはいっている。
友人で日本大好き振付家(来日も2回している)Darren Johnstonはここのレジデント振付家になったという。そのうち日本テーマの作品が発表になるかもしれない。


2008年12月23日火曜日

ロンドンでダンスをみる④ ROH

コンテンポラリーダンスをみるという点では上記3劇場がメジャーだけれど、意外や意外ロイヤルオペラハウスでもコンテンポラリーダンスの公演は行われている。
というのもバレエ/オペラの大劇場以外に小劇場とスタジオシアターがありなかなかいい空間。芸術監督としてウェインマクレガーがはいったこともありコンテンポラリーダンス色を増やす戦略にでたのか、がんばっています。昨年の夏にも5人の若手振付家がダンサーを使って2週間で作品を作る(そして発表まで)というプロジェクトがあり、友人ダンサーが参加していました。
ロイヤルオペラハウスは今まであった堅苦しいイメージを払拭するべくランチタイムコンサートや映画上映会などを開きはじめ、その傾向とコンテンポラリーダンスの社会性がマッチしていたのではないかと思う。
映画ついでにトラファルガースクエアなどの大スクリーンでバレエを放送するイベント(これはもちろん夏にですが)を開いたり今までダンスをみたことがない/敢えて見に行こうとは思わない観客層の掘り起こしにも力をいれている。

ロンドンでダンスをみる③ The Place

The Place の劇場の正式名称はRobin Howard dance theatre。ロンドン、キングスクロスにあるキャパ数300の劇場です。劇場ダイレクターは親日派John Ashford。アシュフォードさんは日本に留学していたこともあり(ちなみに奥さんも日本人)日本の劇場事情に詳しいです。日本のコンペティションの審査員を務めるなど(ソロデュオ2007/トヨタ2008)「日本のダンスを紹介したい気持ち」は満々。ただ残念なことに来年(2009年)6月に引退を迎えるそう。
この劇場は学校(LCDS)とくっついていることもあり若手振付家の発掘に力を入れたプログラムを行なっていて、ロンドンダンサーに最もなじみ深い劇場でもある。
毎年1、2月に開かれる若手のショーケース的イベント。毎日3作品(30分もの)を上演、100団体以上が公演を行う。その中には将来のスターがいるかもしれない。レヴューがでます。ダンスヨーロップなどでも扱われますが、なにせ100団体以上なのですべてのことはかききれません。しかし各公演最低2人のレビュワーがみていて、ウェブ上に公開されます。
私自身も2006年2008年に作品を制作しており、2008年の作品はSpring loadedに招聘していただきました。
☆Aero wave
引退後のアシュフォードさんが取り組もうとしているのがこれで、ヨーロッパ版踊りにいくぜ。応募ビデオをヨーロッパ各国のダイレクターとシェアし、ツアープロジェクトを立てやすくするための仕組みをつくった。今まではレゾリューション期間中にロンドンにヨーロッパの若手ダンスを紹介するということにすぎなかったが、ロンドンのダンスもまたヨーロッパへ輸出することになるのかもしれない。今年の応募総数は400以上でアシュフォードさんは全部みたのだそう。
春4、5月に開かれる若手振付家のためのフェスティバル。作品制作費(ギャラ?)とスタジオ提供をうけました。ありがとう。
☆Choreodrome
夏の学校がお休みの間に行なわれる、スタジオ提供企画。作品制作のための場所を提供するだけでなく、スタジオパフォーマンスなども付随して行なうことができる。またTouch woodという劇場でのショーイングイベントもある。(Touch woodというのは劇場のリノリウムをはがして木の床の状態で行なうショーイング。一応お客さんもいて、お金もとるが比較的インフォーマルなもの。)
2年に一度開かれるヨーロッパでも数少ない振り付けのコンペティション。ビデオ選考とインタビューによる審査で通過すると作品制作費として5000ポンド(100万円)とスタジオ提供をうけて作品を制作できる。ちなみに優勝賞金は25000ポンド(500万)。お金の動きも大きく、それに対する批判も多いが20の新しい作品がうまれたのは事実。2008年わたしも参加していたためこれについてはまた後述します。
☆White christmas
今年は開かれていなかったけれど確かあったとおもうクリスマスイベント。なんと劇場の壁やリノリウムをすべて白くぬってしまう。普段真っ黒な劇場を見慣れているのでかなりびっくり。演目もクリスマスにちなんだものが含まれていたりしてなかなか面白いイベント。

1つの劇場ではあるものの、学校とアーティストデベロップメントとの連携を利用して意欲的に活動を続けているプレイスに育てられた振付家は多い。ここからスタートしQEH→Sadler's wellsへと発展していくのがロンドンダンスのある意味サクセスストーリー。ある意味というのがみそです。私個人としてはそれがいいのかどうかは疑問に思っています。

2008年12月22日月曜日

ロンドンでダンスをみる② Queen Elizabeth Hall

ロンドンのダンス劇場としてあげられるのは3カ所、サドラーズ、QEH,The place。そのうちの1つ。
キャパ数およそ800の大ホール(サドラーズほど大きくはないが)と密かに現代音楽や民族芸能(ときどき人形劇などもやっている)小ホールがある。
若い振付家も多く取り扱っている。
QEH のある場所はwaterloo駅のそばで、southbankと呼ばれるエリア。BFI( British film institute),National theatre ( 訳すと国立劇場、演劇がメインですが、先月はDV8, その前にはアクラムカーンとジュリエットビノシュのIniをやっていました)、Royal festival hall( 音楽ホール)それに付随したCD/DVDショップ、本屋など一大文化エリアでもあります。
Royal festival hall 自体はクラシックのコンサートなどが開かれるかなり大きなホールですが、その1階部分に広いスペースがあり週末に無料コンサートやダンスのイベントが開かれるようになりました。Dance Unionといってヨーロッパダンスを紹介するイベント(主に東欧系、ポーランド、スロベニアなど)が開かれていたのもここ。
おまけに劇場前のエリアには大道芸のひとが集まることで知られています。大道芸についてはまた別ページでかきます。

2008年12月18日木曜日

ロンドンでダンスをみる① Sadler's wells

ロンドンにはダンス専門の劇場がいくつかある。それとは別にパブなどにくっついている小さなステージやギャラリーでのパフォーマンスがあるが、ここでは劇場の方を紹介します。
ロンドンで一番知られているコンテンポラリーダンスの劇場。でももともとはサドラーズロイヤルバレエという名のバレエ団を有していた。名ダイレクター、アリスターさん(Alistair Spalding)がきてから大幅な改革を行ない、ロンドンダンス界に革命を起こしたといわれている。
彼らは劇場で新作を発表する他、リハーサルも劇場内のスタジオで行なっていることが多い。(ただ多くの作品はフランス、ベルギーなどとの共同制作なため必ずしもワールド
プルミエがロンドンとは限らない)
レジデントカンパニーはウェインマクレガー(Wayne Mcgregor)のランダムダンス(Random dance)、マシューボーンのニューアドベンチャー(New adventures)クリストファーウィールドンのモルフォース(Morphoses)があがっているが、ランダムはROHにいったのではなかったか?要確認です。
最寄り駅はエンジェル。
ロンドンカンパニー以外のヨーロッパカンパニー(ローザス、ピナ、ラララ、バットシェバといった有名どころはすべてここ)も数多く公演を行っているので、ぜひ足を運んでみて下さい。チケット代も日本でピナをみるのの3分の1です。
学生さんは当日スタンバイチケットというのがあり、開演1時間前からキャンセルチケットを
15ポンドで売り出すセールがあります。ここででてくる席は1階席の結構いい場所。ぜひ確認を。もっとやすい席という点では2階(といってもかなり上)の一番安い席は10ポンドくらいになります。
サドラーズウェルズ内には大劇場(キャパ1500)と小劇場(150〜200くらい)があります。小劇場側は楽屋口になっていて、ダンサーやスタッフだけでなくロンドンダンス業界有名人が集まってくるカフェもあります(昼間にいくといろんな人にあえます)。もちろん一般人も普通に利用可能。

サドラーズウェルズには兄弟劇場があり、ピーコックシアターといいます。これはホルボーンにあってキャパ数は800くらいでしょうか。こちらのプログラムはより一層一般の人が親しみやすいプログラムを目指しているようで、ミュージカル的なもの(スノーマンやマシューボーンの作品など)や少林寺や韓国拳法をベースにしたショーなども行われています。(ちなみにこれはこれで面白く、新聞で5つ☆をもらったりもしている)一部ではピーコックをエンターテイメント用に捨てたという声も。
サドラーズの特殊なところはほぼ自立した劇場だということ。それだけ観客を動員し続けているということ。助成金に頼らず自分たちでプログラムをたてることができるそれが強み。このような劇場は世界的にみてもあまり例がないのだそうです。





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2008年12月17日水曜日

ロンドンのダンス情報を知る④ Ballet.co

ロンドンに限らずヨーロッパではあまり「バレエ」と「コンテンポラリーダンス」、「モダンダンス」に差がありません。さすがにみている人もswan lake とDV8は違うとわかるのですが、別ものというよりは同じダンスのなかのひとつとしてとらえます。従ってバレエとかかれたページでもかなり幅広くあつかっています。
UKで発行されているダンス雑誌で一番メジャーなのがDance Europe。そこが作っているページです。従って宣伝目的ではありますが、レビューなどはウェブでも公開されていて、買わなくとも読むことができます。ちなみにこの雑誌ヨーロッパ各国および日本でも販売されています。さらに日本語のサマリー(要約)が一番最後のページにあります。英国でなぜ日本語???日本で買うとちょっと高いですがそのせいでしょうか。
この雑誌オーディション情報が充実していると聞いています。たしか日本のKバレエもだしていたような。しかし同時にディズニーランドダンサーもでていたような、、、。
このホームページの特徴はレビューサーチがあるところ。
新聞雑誌その他英語圏のレビューを振付家名(姓を入力するので注意)や公演日、場所などからサーチしてくれます。これは便利です。私の作品レビューもでてきます。(プレイスプライズのときには絶賛してくれたので感謝の意味を込めてかいておきます)小さな公演のものでも(それも15分や20分作品だ)引っ張ってきてくれるのがありがたいです。

ロンドンのダンス情報を知る③ Article19

アーティクル19(Article 19)
こちらもロンドンダンス全般を知るためのページ。これをよんでいていつもお世話になっているプレイスのアシュフォードさんが引退(でも本人はアエロウェーブというヨーロッパダンスネットワークを作る仕事に移動するだけであまり感慨はないらしい。2009年6月より)ということを知りました。さりげなく要職者のポジション移動や助成金のニュース、変更などがでていたりします。なお、ちょっと厳しい意見が多いです。誰がかいているのか知らないけれど、すごい突っ込みがたくさんはいっています。プレイスプライズもすごいたたかれかたでした、、、。
有名なのがオーディション情報。ロンドン、UKだけでなくヨーロッパ各地の情報がでています。ここにでるということは別に国をとわないということで、また英語でいいということで、フランス語圏だろうとドイツ語圏だろうとおそれるにたらず(?)です。

ロンドンのダンス情報を知る② JUICE

☆JUICE
The Placeには学校、劇場の他アーティストデベロップメントという部署があり、ダンサー/振付家のためのサポートを長い間行なってきた歴史があります。そこがだしていた機関誌(月刊)がJUICE。しかし昨年それをやめ、ウェブ上で情報を流すことにしました。これまでは年会費を払ってくれていた人のみにJUICEをおくっていたのですが、より多くの人に知ってもらおうと、このデータを無料で閲覧できるようにしたのだそうです。
と、いうわけでこれを利用すると日本にいながらロンドンダンスを知ることができます。
オーディション情報などもでているので、これでみてそれから旅程をたてるということもできると思います。
はじめのページで登録しパスワードを利用してはいる形になります。(それだけが面倒)
なお、JUICE以外にもプレイスHPにはかなりの情報がでているのでそちらもご覧ください。

ロンドンのダンス情報を知る①Londondance.com

ロンドンダンス情報を知りたいという人のためのウェブです。
こういうものを日本版で作っていただけるとありがたいです。JCDNのページがこれに相当するのでしょうか。
そのままですが、こちらでもこう呼ばれているので、、、。ロンドンの公演情報の他、スタジオスペースやスクールの一覧やデザイナーの紹介などかなり多岐にわたっています。プレイスプライズのときにお世話になったセットデザイナー針生康にであったのもこのページからでした。公演情報は大手のサドラーズウェルズ(Sadler's wells,スポンサーでもあります)が中心になってしまいますが、大体のことはのっています。

ロンドンでダンスを学ぶ場所⑤ チケット制のクラス

旅行できたけれどちょっとだけ味わってみたい、そんな人にも最適なチケット制のクラスがあります。特にバレエのクラスは前出のプレイスなどにもあるものの、こちらの方が充実しているといえるでしょう。バレエだけではなくコンテンポラリーやジャズ、ヒップホップなども開講していて(最近はポールダンスがはやりだとか)、いろんなものをちょっとやってみることができます。
コベントガーデンのマークスス&スペンサーの裏という最高の立地条件のところにあるこのスタジオ。場所柄バレエが強かったのですが(なにせロイヤルオペラハウスの目と鼻の先)、ポップなピンクのネオンサイン。隣が映画学校ということもあり(?)マスメディア系のリハーサルスタジオ(ミュージカル等)としても使用されています。バレエとヒップホッパーという不思議な組み合わせを目にすることができます。
ここの難点は高いこと。入り口で2ポンド、教師に7ポンド支払います。あわせて9ポンド(日本円でおよそ2000円)日本値段を考えるとやすいですが、なにせ半額クラスがある状態なので貧しいロンドンコンテンポラリーダンサーはあまりこないという状況があります。
コンテンポラリーダンサーにお勧めのバレエクラスはToryのコンテンポラリーバレエクラスで、ベーシックなバレエクラスです。(元NDTのダンサーさんだそうです)私はこのクラスは普通にコンテンポラリーダンスのクラスだと思うのですが、「バレエ」だそうです。火、水、金10時半から12時、木はCDで。(いい忘れていましたがロンドンのほとんどのクラスは生演奏です)
ただ、バレエをある程度知っている人にはそのあとのクラスの方がいいとおもいます。月から金帯で教えているおじさんがいます。特にコンテからだを立て直したい(よくも悪くもまっすぐにとか上に引き上げたいとか)人にとっては。太ったおじさんですがいい人です。ごめんね、名前思い出せません。
土日にもクラスがあるのがいいところで(日曜日は極端に少ないですが)すが、すこしエントリーフィーが高くなります。
レベルはかなりのばらつきがあります。プロのバレエダンサーから80代のおじいちゃんまで。それぞれのペースで稽古をする、それもまたロンドン流。

こちらもロンドン中心部ボンドストリートにあります。セルフリッジの向かい側にあります。通りには面していませんがHSBCの横をはいるとすぐにわかります。
ここもパイナップル同様入り口でエントリーフィー(曜日によってかわるが2から4.5ポンド)をはらって残りは教師に払います。あわせて9ポンドから11ポンド程度。ここの2階部分ではボディコンディショニングをうけることもできるそう。(しかし高そうなので利用したことはない)ホームページを見ればわかるように日本語のページもあり、日本人バレエ人口が結構います。まだ15歳くらいと思われるバレエ留学生たちが学校がお休みのときにきたりもしています。
バレエ以外のクラスも数多く開かれています。

ロンドンでダンスを学ぶ場所④ ムービングイーストとコンタクトインプロビゼーション

ロンドン東部ダルストンキングスランド(アフリカ系の移民の人が多くすんでいるエリアで、毎日駅前に市場がたちます。やすい!ターキッシュのパンケーキとかちょっとかわった食べ物に出会うことができます)にあるムービングイーストは教会の一部を改造した合気道と剣術の道場。合気道とコンタクトインプロビゼーションは近いということからコンタクトインプロビゼーションのオーガニゼーション(ロンドンコンタクトインプロビゼーション)と連動。毎週コンタクトインプロのクラスとジャムが開かれています。フランスパリのカナルダンスにいったときも皆さんここのことを知っていて、ヨーロッパコンタクトインプロネットワークではかなり知られた場所。
ムービングイーストの代表Paulさんは日本へも何度も来ていて(武術家として学ぶために)大の日本通。奥様はSarahというダンサー(教師でもある)です。比較的やすい値段で稽古場貸し出しもしていて私もたびたびお世話になりました。(やすいといっても日本の区民館等の値段よりは断然高いです、、)

☆コンタクトインプロビゼーションクラス、ジャム@moving east
毎週土曜日11時半よりクラスが、1時半くらいよりジャムがあります。クラスは週代わりのリーダーがいて(2、3週同じ人のことが多い)、その人の指示に従いつつ、少し脱線したりしつつ学ぶ場。ウォーミングアップをかねているが、ジャムだけ、クラスだけの受講も可能。クラス後そのままフリーインプロに流れ込む。
代表のロバートアンダーソンさん、いい人です。クラスの前に紙に名前を書いてお金を払います。ここでメールアドレスをかくと、メーリングリストにいれてくれて毎月お知らせをおくってくれるようになります。
はいるときは入り口でブザーを鳴らします。が、11時15分までは前のクラス(子供のためのバレエクラス)がやっているため注意が必要。ちょっと待っててください、誰かきます。
斜め向かいにカフェがありここのおじさんが鍵を預かっていることも多いです。ポールさんもここにいることが多い。そう、このカフェはムービングイーストダンサーたちの御用達。

問題は少し行きづらいことで、最寄り駅のダルストンキングスランドはロンドンオーバーグラウンドという15分に一本しか通っていない(しかもたびたび運休、おくれる)鉄道駅なのです。ニューイントングリーンというところに行くバスに乗ってそこから歩く人も多いです。
グーグル地図よりもこちらの方がわかりやすいので参照してください。



ロンドンでダンスを学ぶ場所③ シオバーンデイビススタジオ

シオバーンデイビス(Siobhan Davies)という振付家(大御所の一人)の所有するスタジオでも各種クラスが開かれている。
ここはインディペンデントダンスという団体と連動していてプロフェッショナルクラスを開催している。ただ、ワークショップ形式やクラスではなくリサーチをする振付家もいるため毎日あるとは限らない。あらかじめウェブなどでチェックすることが必要。ある場合はヨガやフェルデンクライスをベースにした比較的ソフトな知覚系ダンスかコンタクトワークを得意としている人が指導していることが多い気がする。
シオバーンデイビススタジオはスタジオパフォーマンスなども開催しており、若手振付家が完全な公演とまではいかない小規模のトライアルを発表していることもある。
スタジオのあるエレファントキャッスルは観光ガイドなどによれば危険な地域とされているが、普通の恰好をしたダンサーであればまず問題はないと思われる。ただ、おさいふや鞄には常に気をつける習慣はつけた方がいいと思います。



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ロンドンでダンスを学ぶ場所② gDA

gDA( Greenwich dance agency)
ロンドン中心部からは少し離れてしまうが、グリニッジにもダンスクラスがある。
gDAは大ホール(劇場としても使用)、小ホール、スタジオスペース(でも小さい)を有していてこの大ホールでプロフェッショナルクラスを開いている。10時半より12時(12時半くらいまでする人もいる)。少し遅めなのがうれしい。4.2ポンド。
ここも指導者は一週間ごとにかわるので注意が必要。ここはリリース、リモンテクニックベースの人が教えていることが多いといわれている。プレイス同様元ダンサー、ダンサー、若手振付家が指導している。
グリニッジには大きな公園があり、天文台で有名。観光がてらお散歩するのがおすすめ。gDA前の坂をあがっていくとちょっとすてきなカフェがあります。(ちなみにこのエリアは高級住宅街らしい、、、)


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ロンドンでダンスを学ぶ場所① The Place

このページを読むだろう人のほとんどがダンサーであるだろうことをふまえ、ダンサーのためのお稽古場情報です。特に前半3つはプロフェッショナルクラスという名目の安クラス(助成により1クラス4ポンド程度)がある。

ロンドンコンテンポラリーダンススクール( LCDS)と劇場(Robin howard dance theatre)、ダンスカンパニー(リチャードアシュトン)が合わさってできている施設。中には11のスタジオがあり、毎日様々なダンスクラスが開催されている。
プロフェッショナルクラスは朝の9時から10時半まで。カンパニーが練習開始する前のスタジオを利用している。(なので終了後10時45分までにスタジオをでなければならないのが難点)指導者は若手振付家、ダンサーが主。つまりダンサーとして活動しながらしかし指導者としての経験を積みたい人のためのクラスでもある。また1週間ごとに指導者もかわる。
そのため指導レベルにもかなりの差はある。また内容も全く異なる。今活動しているダンサーが何を必要としているか、を知るにはよいかもしれない。
3つのプロフェッショナルクラスの中でもここのクラスはカニングハムベースである指導者が多い。ロンドンではカニングハム信仰が未だ根強く、ここの学校のテクニックベースはカニングハムとバレエにおかれている。
プロフェッショナルクラスとはいっても「何がプロか?」について考えさせられるクラスでもある。日本で学んでいる子にとってはテクニック面では物足りないかも、、、。

裏口の学校側の入り口を通ってスタジオ7へ。(更衣室は半地下部分にあります。わかりづらいのでレセプションに聞きましょう。やさしいお兄さんが教えてくれます。)代金4ポンドはスタジオでクラス前に払います。

ちなみに夜や土日には各種マーシャルアーツ(カポエラ、空手等)やインド舞踊などのアダルト向けダンスクラスもあり。いろんなダンスにふれれるのもロンドンならでは。




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ごあいさつ

現在日本帰国中ですが海外のダンス事情を知りたいという話しをよくききます。私の知っている範囲ではありますが、調べやすいリンク集のようなものを作れればと思いました。余裕があればホームページ等にまとめるのですが、力量不足でブログどまりです。ある程度まとまり次第公開しようと思います。