2009年3月23日月曜日

私作品を発表したいんです!というあなたへ

私ロンドンで作品を発表したいんですけれどどこかないですかという人、まずは各劇場へ問い合わせましょう。DVDをおくってみるのも良いかもしれません。またコンペのようなものにだすのもありかもしれません。しかし基本的に外国人がいきなりやってきても相手にされません、、、。
私自身正直言ってどこにも知り合いがいない、学校もでていないところからスタートでした。どこに聞いたら良いのかもわからないという状況から、かろうじてつながっていきました。以下のところは比較的若い人を受け入れているからだしてみるといいよといわれたのが以下の劇場です。
でも実際には私の場合掛け持ち状態だったので、(日本にも頻繁に帰っているので、そう簡単に時期があわせられない)プレイスにしか応募していません。ただ、うちのリカルドはブルーエレファントにだしていました。多くの劇場とコネクションを持つことで助成金がとりやすくなったり、教えなど他の可能性につながります。またダイレクターの好みによってここは合うけれどここはだめみたいなものも多くあります。だから懲りずにだしてみること。
時間と機会があるなら実際にいってみること。話してみること。まずはそれからです。

☆Resolution!
プレイスの若手育成ショーケース。毎年1、2月に100団体以上の公演を一日3つずつ毎日行なっていくというもの。
はじめてでた場合、サポートは当日のリハ(3時間)テクニシャン3人。だけでしかないが、それでも日本の現状(ショーケース形式だとリハーサル時間は1時間未満がほとんど)を考えると感動的。劇場設備は日本でいう赤煉瓦倉庫が近い。(客席数は300)チケットの売り上げで経費がほとんどまかなわれる。
ここで作品のビデオを作り、あとは自分たちでどこでも売り込め!という形だが、アーティストデベロップメントのサポートや、ワークショップなども受講できるので、良い勉強の機会にもなると思う。
ただ問題は応募するには英国に住んでいなければならない。だから英国人の友人に協力してもらう必要がある。日本に住んでいても今までにここで公演しているひとは結構いて、ごまかすことは不可能ではない。
ちなみにセレクションの確率は2分の1だそうだ。

私は応募していないけれど、ここには若手のためのミックスビルがあるから良いわよとテリーザに教わった場所。(ちなみに彼女はプレイスのone to one sessionで担当してくれた人。現在はアーツカウンシル)
いずれもプレイスに比べると小規模だけれど、地域とつながったダンスイベントを多数開いている。微妙にセンターロンドンから遠い。しかしそれもまたみそ。
ジャクソンレーンは別に記入しました。劇場項目参照。

☆ROH
ロイヤルオペラハウスにも若手のためのショーケースというものがあるらしい。上にあるスタジオシアターで公演ができるというもの。キャパ数はおそらく150くらいだろうか。しかしこれは確実に英国在住のみ。

ロンドン以外の英国カンパニー③ Fabulous beast

Fabulous beast 
ここにあげるべきかどうか迷ったが、私がロンドンで見た中で数少ない面白いと思ったカンパニーなのであげておくことにする。というのもこのカンパニーはアイルランドのカンパニー。だから正式には英国のではない。ビザも異なる。しかしロンドンのバービカンと提携しているので、大体毎年ロンドンで見ることができるカンパニー。
英国流フィジカルシアターといったほうがいい。ダンスというにはもっとおおざっぱだし、もっとエナジェティック。題材にはジゼルなどテキストを用いているものが多い。実際に台詞も多用する。しかし、英語がわからなくてもわかる何かがある。ちなみにアイルランドはアイリッシュという言葉があり、通常の英語とは違うらしい、、、。
HP上の振付家マイクさんの言葉(manifest参照)はとても興味深い。多分彼なりに身体の本質をついていったらこんな風になってしまったのだろう。しかし基本テクニックはヨガ(それもなぜか日本で修行した人に習っていたらしく、妙に日本に詳しい。)。ラッセルさんと同じことをやっていてしかし出来上がり(作品)がこんなに真逆なのだから面白いものだ。
次の作品は春の祭典をイングリッシュナショナルのオーケストラと一緒にするのだそう。ダンサーだけで24人。派手な作品になりそうで楽しみ。

2009年3月17日火曜日

ロンドンでダンサーになろうという方へ③ ビザその2

ビザの問題について大きく変更になったことがあるので補足説明です。
昨年の11月よりTierという制度になり、すべてのビザがポイントで計算されることになりました従来のワークパミットによるビザもここに含まれます。それ自体はそれほど大きくないのですが、そのパミットを発給するカンパニー側も登録をしなおさねばならなくなりました。
雇用する側がスポンサーとして認められる→雇用される人の資格がポイントを満たしているか調べる→ビザ発給というわけです。
今回私はスプリングローディドという春のフェスティバルに参加することになっていますが、現在のビザはラッセルカンパニーが発給したもので、雇い主が違うことから新しいビザが必要ということになり、急遽作ることになっています。が、プレイスはそのスポンサーとしてまだ認められていないということが明らかになり、実はかなり慌てています。
プレイスの活動規模が海外からの労働者を受け入れられるほどとは認められないということのようですが、プレイスの規模で無理ということはほとんどのカンパニーで受け入れられないとなるということです。
今回の事例では間に合わないことからサドラーズウェルズの力を借りることになりました。サドラーズに雇われている人になるそうです。(まあ、1週間とかでしょうが)逆にいえばサドラーズは今も昔もパミットを発給できるということで、サドラーズに出入りしているカンパニー(ランベー、ラッセル、ニューアドベンチャーズ等々)はありえますが、他では無理となります。今まで以上に海外労働者にとっては厳しくなっていることをお伝えしておきます。
なお、あまりに厳しいということで、既にサーカス業界で悲鳴が上がっていると新聞記事にありました。(というのもウクライナなどの土地から来る曲芸師たちが入国できず、サーカスの運営自体が危ぶまれている。技術職ですし)なので、あと1、2年もすればまた法改正があるかもしれません。

2009年3月8日日曜日

いくつかの記事を載せました

ここのところ停滞していましたが、少し足しました。しかしまだたまっています。かかねばです。一応過去記事もラッセルeonnagata、ホフェッシュ、南村さん少しずつ更新しています。
あまりにも膨大で、学校情報などまでのせることができません。ごめんなさい。でもおってすこしずつ続けようと思います。どうぞよろしくお願いします。

Global dance contest

Global dance contest
サドラーズウェルズのアリスターさんは新しいコンペを思いつきました。ジャンルは問わない、新しいダンスをみせてくれ。
良かった作品は来年1月に開かれるサドラーズウェルズサンプル(コレはサドラーズのフルメインキャストによるお得な感じのサンプル公演、小作品がたくさんでるのでいろんなものを楽しめる。従ってでる人も超豪華。)で上演できる!というもの。
おまけに4年間の各年の勝者は2012年に共同で作品上演を行なえるらしい。ということは当然サドラーズがプロデュースするわけで、それもまたすごい話しだ。ちなみに2012年はロンドンオリンピックイヤーです。

応募も簡単。
7月17日までに30秒から3分以内のビデオを作ってユーチューブにあげればよろし。音楽持ってないよーという人にはここからダウンロードできるよ。(ちなみに音楽は自分のすきなものでいい、当然だが)というおまけ付き。
18歳以上のすべての人が対象。もちろん日本にいたって応募できる!そういうわけで、興味のある方はぜひ。

英国における深刻な不況

英国のポンドがは現在138円(2009年3月)。2008年大恐慌がおこる前までは260円のこともあったくらいなので半額だ。
これはさすがの英国経済もかなり打撃をうけていて、多くの企業が倒産している。日本でいえばウェッジウッドが有名だが、zabbi(バージンメガストアのあとのCDや)もwoolworth(日本でいう量販店の大手)もつぶれた。そして恐ろしいことに都心部の大手がつぶれたあとはいるところがなく、空き家のママになっているということ。ピカデリーサーカスのど真ん中にあき物件ってやっぱり怖いです。
そういうわけでかなり深刻です。
それをうけてアーツカウンシルイングランドも24%の人員削減を決定しました。日本でいえば財団法人みたいなもので準お役所。そこがこれだけ減らすのです。
今後どうなるかわかりませんが、一番はじめにカットされる文化予算、それもマイナーなダンスが追い込まれることになるのはまちがいありません。

逆に日本円が強い今こそ、英国(あるいはヨーロッパ)にくる時!ともいえます。在研など助成金の金額はそうそう下がらないため、今これば2倍!。そして日本政府(あるいは企業)の助成をうけて行なう海外の公演は行いやすくなるのではないかと思われます。

友人の韓国人がいうには「ポンドはたかいままだ!」日本がおかしいだけで、ポンドは依然強いと考えているようです。しかしユーロと比較しても最近では1ポンド=1、1ユーロといわれているくらいなので、やっぱり下がりかたが激しいです。(韓国のウォンも下がっているから、その差がわからなくなっているのだと思います)

海外旅行にでる際は為替レートを確認しましょう。

ロンドン以外の英国カンパニー② diversions

diversions
SDTをあげたついでにもう1つ、こちらはウェールズのカンパニー。基本的に各国に一個ずつある、コンテンポラリーダンスカンパニー。ここもSDTもレパートリーカンパニーであり、1年ごとに様々なレパートリーを習得、練り上げながら各地で公演を行いつつ、地域の為に貢献しつつという活動を続けている。
ダンサーは10人ほど。その年によるが多くもなく、少なくもなく。英国人が中心だが、必ずしもというわけではない。
現ラッセルカンパニーのシン(韓国人)はここにいた、が、あまりにも寂しくって逃げ出した。(笑)「だってなにもないんだよー畑と森とそれしかない!」と彼はいうが、失礼な話しである。英国の地方は都市生活に慣れた身には正直寂しい土地が多い。なにぶん広い土地を有しているのだ。ただ、本当に豊かであるというのは、自分の作りたいものを自分の作りたいペースで作り続けていくことができるということではないだろうか。
そして自分の作ったものを自分の知る人に知ってもらうこと。
以上2カンパニーは毎年プレイスで公演を行っている。

ロンドン以外の英国カンパニー① スコティッシュダンスシアター

私はうっかり英国/イギリスという癖がついてしまっているけれど、本当は国がいくつかに分かれている。そのうちの1つスコットランドのカンパニー。
SDT
その公演をたまたま見たのでここにかいておくが、公演自体以上に地元の人にダンスを広める活動をしていることを強調していたのが気になった。Creative learning。学校や各家庭にダンスを出張させる(教えること/あるいは公演、パフォーマンス)のだそう。クラスをうけたときに教えていたダンサーの子がいうには教えと公演でしにそう、、とのこと。ちょっと大変そうだ。ただ、ある意味英国のダンスカンパニーのお手本みたいなカンパニーでもある。良いものを安く提供し、ダンスに興味を持つ人を増やそうという試みも、教育と結びついて活動を広げているという点でも。
しかし良いダンサーが多い。ケレンによれば今年ベストダンサー賞をとったランベーのジョナサンは(例の700ポンドダンサーさんだと思う)ここにいたらしい。若手の特に男の子をよく育てるカンパニーらしい。
作品は年ごとにかわる。今年のレパートリーはIna Christel JohannessenとこのカンパニーのダイレクターでもあるJanet Smith のもの。土地によってHofesh Shechterの作品を含んでいるときもある。基本的にウェルメイド、よく作られている。とても英国らしい、フィジックの強い作品。
年ごとにレパートリーがかわるので、基本メンバーは大体一定しているがオーディションもほぼ毎年開いている。ダンサー志望の方はぜひ。