2009年1月19日月曜日

ロンドンでダンサーになろうという方へ② ビザ

私たちは海外からの労働者ということになるので、特別なビザが必要になります。英国には(特にロンドンには)たくさんの日本人がいますが、それぞれビザの問題をクリアした上で暮らしています。そのためのいくつかの方法をいかにあげます。

☆観光ビザ
日本人は6ヶ月以内であれば、ビザの必要なしに滞在することができます。俗にいう観光客の人用です。例えばオーディションをうけに2週間滞在ということは全く問題ありません。たまにパスポートコントロールでオーディションをうけにきましたとかいってしまう人もいますが、そんなことはいわずにっこり笑顔で通り過ぎましょう。
このビザでは6ヶ月を過ぎて滞在したり、労働をすることはできません。

☆学生ビザ
学校に通うためのビザです2種類あり、アルバイトが可能なものとできないものがあります。アルバイトができる場合週19時間までは可能。ただし、エンターテイメント業につくことはできません。

☆IGS
何の略だったか忘れてしまいましたが、大学、大学院を卒業後2年間(今年延長になりました)仕事探しのために滞在していても良いよというビザ。仕事探しということで、様々な職種へチャレンジできるよう、すべての職種につくことができる。各学校へ教えにいったり、ダンサーとして働くことも自由。従って、このビザのある子は自営業者として登録していることが多い。

☆ワークパミット
労働許可証。カンパニー(会社でなければならず、この条件を満たすダンスカンパニーの数はそれほど多くない)の労働者として雇われる際に発行される。それ自体はビザではなく、しかしこれがあれば付随してビザが発給される。これをだすためには28日以上前からの告知(英、EU圏内)、オーディションの開催、それでもこの人でなければならないという理由が必要で、一般の職に比べてエンターテイメント業はとりやすいといわれている。
私が現在有しているのは6ヶ月ごとのタイプで国外にすむ特殊技能者を呼び寄せるという形をとっている。(従って6ヶ月ごとに英国をでなければならないが、大抵ツアー中などに申請をする)特殊技能者なので、他の仕事に就くことは不可。そのカンパニー以外の仕事につく場合はその都度異なるパミットを申請しなければならない。
日本から公演で訪れる場合はまずこのビザが必要になる。また、このビザがないのに勝手に公演などをしていた場合、カンパニーはおとりつぶしになるのだそうだ。

☆婚約者ビザ、配偶者ビザ
英国人と結婚した(する)人にはビザがでる。もちろんなんの労働も可能。英国人だけでなくフランスなど他のEU人と結婚した場合も自由に行き来できる。
友人のしんは「もしプレイスプライズで優勝したら25000ポンドで偽装結婚できるんだって」とがんばっていたが、残念ながら優勝はできなかった。ちなみに彼の情報によると結婚後2年が経過するとそのままレジデンシーを有することができるので、そこで離婚すればいいのだとか。ほんとうなのか?

☆レジデンシー
俗にいう永住権でしょうか。
ワークパミットワーカーとして5年働くと、レジデンシーがとれると聞いています。レジデンシーを所得後は英国人と同じように労働することが可能になります。つまり振付家/ダンサーとしてあらゆるカンパニーを自由に行き来できるということ。EUダンサーははじめからこの立場にいるので、日本人は大変不利です。特にプロジェクトベースの小さな仕事(3ヶ月単位等)はIGSかレジデンシーを持っていなければ難しいでしょう。

☆アーティストビザ
実はこのビザ、なくなってしまいました。現在はワークパミットか、学生の形にして滞在せざるを得なくなっています。友人でこのビザだったこがいましたが、結局ビジネススクールへ通うことにしました。

EU以外の人間にとってビザの問題はかなり大きいです。たいていの人は学生で留学する形をとりますが、英国は学費が高い。およそ年間1万ポンド。ちなみにEU人は3分の1以下です。アルバイトはできますが、制約も多くあります。
また、長期滞在を続けると語学学校に行き続けるのはかなり難しいです。何を目指したいか、目標をしっかり持って留学、滞在すべきと考えています。

私の友人の韓国人は某カンパニー(地方の大手カンパニー)に所属していましたが、契約が切られ、ビジター、観光扱いでがんばって滞在しながらオーディションを点々としていました。しかし、仕事が見つかる前に、不法滞在扱いになり、ドイツから英国に戻ろうとしたら空港で足止めされてそのまま母国(韓国)へ強制送還。フラットにおいてあった荷物などは当時のフラットメイトに頼んでおくってもらうことにしたそうです。
強制送還例は私がしるなかで3回見ていて、語学留学できたのに働くつもりできたのだろうと疑われて入国できなかった美容師さん、留学中の彼女の元に滞在していて、6ヶ月ちかく滞在したので一時的にフランスなどへ逃げて戻れば大丈夫だろうと思って一回出国戻ろうとしたらつかまった音楽家さんをしっています。
冗談だとおもうかもしれませんが、移民が増えて困っている英国では、不法労働者、滞在者に対する締め付けはどんどんきびしくなっています。きちんと調べてみることをお勧めします。


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