2008年12月23日火曜日

ロンドンでダンスをみる③ The Place

The Place の劇場の正式名称はRobin Howard dance theatre。ロンドン、キングスクロスにあるキャパ数300の劇場です。劇場ダイレクターは親日派John Ashford。アシュフォードさんは日本に留学していたこともあり(ちなみに奥さんも日本人)日本の劇場事情に詳しいです。日本のコンペティションの審査員を務めるなど(ソロデュオ2007/トヨタ2008)「日本のダンスを紹介したい気持ち」は満々。ただ残念なことに来年(2009年)6月に引退を迎えるそう。
この劇場は学校(LCDS)とくっついていることもあり若手振付家の発掘に力を入れたプログラムを行なっていて、ロンドンダンサーに最もなじみ深い劇場でもある。
毎年1、2月に開かれる若手のショーケース的イベント。毎日3作品(30分もの)を上演、100団体以上が公演を行う。その中には将来のスターがいるかもしれない。レヴューがでます。ダンスヨーロップなどでも扱われますが、なにせ100団体以上なのですべてのことはかききれません。しかし各公演最低2人のレビュワーがみていて、ウェブ上に公開されます。
私自身も2006年2008年に作品を制作しており、2008年の作品はSpring loadedに招聘していただきました。
☆Aero wave
引退後のアシュフォードさんが取り組もうとしているのがこれで、ヨーロッパ版踊りにいくぜ。応募ビデオをヨーロッパ各国のダイレクターとシェアし、ツアープロジェクトを立てやすくするための仕組みをつくった。今まではレゾリューション期間中にロンドンにヨーロッパの若手ダンスを紹介するということにすぎなかったが、ロンドンのダンスもまたヨーロッパへ輸出することになるのかもしれない。今年の応募総数は400以上でアシュフォードさんは全部みたのだそう。
春4、5月に開かれる若手振付家のためのフェスティバル。作品制作費(ギャラ?)とスタジオ提供をうけました。ありがとう。
☆Choreodrome
夏の学校がお休みの間に行なわれる、スタジオ提供企画。作品制作のための場所を提供するだけでなく、スタジオパフォーマンスなども付随して行なうことができる。またTouch woodという劇場でのショーイングイベントもある。(Touch woodというのは劇場のリノリウムをはがして木の床の状態で行なうショーイング。一応お客さんもいて、お金もとるが比較的インフォーマルなもの。)
2年に一度開かれるヨーロッパでも数少ない振り付けのコンペティション。ビデオ選考とインタビューによる審査で通過すると作品制作費として5000ポンド(100万円)とスタジオ提供をうけて作品を制作できる。ちなみに優勝賞金は25000ポンド(500万)。お金の動きも大きく、それに対する批判も多いが20の新しい作品がうまれたのは事実。2008年わたしも参加していたためこれについてはまた後述します。
☆White christmas
今年は開かれていなかったけれど確かあったとおもうクリスマスイベント。なんと劇場の壁やリノリウムをすべて白くぬってしまう。普段真っ黒な劇場を見慣れているのでかなりびっくり。演目もクリスマスにちなんだものが含まれていたりしてなかなか面白いイベント。

1つの劇場ではあるものの、学校とアーティストデベロップメントとの連携を利用して意欲的に活動を続けているプレイスに育てられた振付家は多い。ここからスタートしQEH→Sadler's wellsへと発展していくのがロンドンダンスのある意味サクセスストーリー。ある意味というのがみそです。私個人としてはそれがいいのかどうかは疑問に思っています。

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