2008年12月29日月曜日

ロンドンの振付家① Hofesh Shechter

Hofesh Shechter
今ロンドンであるいはUKで一番売れている振付家は誰かというとこのホフェッシュと思われる。確か私と同い年(30代前半)ではないだろうか。元バットシェバダンサー。そのせいかナハリン影響は多く見られるけれど、とてもうまい作り手だと思う。
2004年のプレイスプライズでラファエロ ボナチェラと観客賞を2分するが、残念ながら受賞できず。しかし、その力量を買ったプロデューサー達がプレイス→QEH→サドラーズという1年間の間に一作品(1カンパニー)を育て上げるプログラムにのっかった。その代表作Uprisingは男性群舞。(ちなみにうちのカンパニーのシンはそのオリジナルメンバー)こんな作品。



現在助成金が激減し(これは不景気とオリンピック対策に伴うもの)、厳しい状況の中、ホフェッシュ一人勝ちといわれたりもする。多くのカンパニーや学校にホフェッシュ作品はレパートリー化されたのでみたことがある人もいるかもしれない。(恐るべきことに、学生であろうとプロダンサーであろうとある一定の作品レベルに達する。ということは身体の作り方がそれだけ伝達しやすいというか、独自のシステムが確立しているということ。)
Uprisingのイメージから群舞の人な感じがするが、私がはじめて見たのはエリザベッタ(元ラッセルダンサーでもある、イタリア人ダンサー)に振りつけた女性ソロ。プレイスのホワイトクリスマスで発表されたものだが、彼女が懸命に踊り続ける間(ちなみに動きはエリザベッタが作ったと思われる、身内だからわかるんだけれど)、彼はスクリーン越しに観客へ話しかける。「僕はホフェッシュ、彼女は僕のダンサーのエリザベッタ、、、、」ペットかのように飼いならされているエリザベッタ。動けば動くほど(ちなみに彼女は多分ロンドン一よく動くダンサーだろう)、支配下にあることが見えていく。シンプルな作品だったが、視点が明確で、非常に面白かった。ちなみに当時ホフェッシュの名を知らなくて(不勉強ですみません)、ブレイクして、あああのときの人と知った次第。
なお、ホフェッシュの強みは音楽を自分で作り出すことができること。最近こういう人が増えている。自分で音楽も/映像も作ってしまう完璧主義者タイプ。30代前半より若い世代はまずそういう人が多い。コンピューターのおかげでしょうか。

追記ですがこの彼の作品uprising とin your roomはなんとラウンドハウスでも上演されました。ここは1800人規模といわれる円形劇場で、サーカスの演目が多く行なわれています。で、ここでミュージシャン20人と大盛り上がりの会を作ったのだとか。ダンス公演というよりはイベントね、クラブみたいで楽しかったからいいんじゃない?というレビューがでています。


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